APH
□百年の恋
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アーサーside
突然フランシスに呼び出された。だれだって好きな奴に呼び出しくらったら浮かれるだろ?どんなくだらないことでも、
前日俺は眠れなくて案の定遅刻だ。待ち合わせ場所にはすでにあいつがいて俺は深呼吸をして、背後から呼んだ。
「おい!」
あいつはちょっと驚いた顔をしてから、一呼吸すると、
『アーサー...結婚、してくれないか?』
いつもケンカばかりしていたフランシスからの突然の告白に思わず首をたてに振ってしまった。
昔からずっと好きだった人。何度も諦めようとした。その人が自分を好きでいてくれたのだ。
どんなにうれしか、どんなに愛しいか。伝えきれない。
毎日幸せだった。どんなに遅くても帰ってくるといつもご飯を作って待っていてくれた。
あいつのためだとおもえば仕事も苦じゃなかった。
何があってもずっとそばに居たいと思った。俺が護るんだと。
ある日、フランシスの上司が訪ねてきた。あいつと別れてほしいと。あいつはもう違う奴との結婚が決まっているのだと...
抵抗は出来たはずだ。だが国としての俺がそれを許さなかった。上司の命令に国民の想いに国としてさからってはいけない!
あれからだいぶたった今俺たちはそれぞれの人生を歩んでいる。
当分会っていない。俺は少し痩せた。
会いたい。話したい。昔みたいにケンカして酒飲んでバカやってたあの頃に
 ̄ ̄帰りたい・・・。
静かで暗い家に帰ると一人でいることがたまらなく寂しくなる。
口を開けば涙が止まらなくなる。もう、何年も前に終わったことなのにいまだに未練たらしい自分が嫌になる。
あいつは今どこで何をしているんだろう。。。
それからあいつを見たのは3日後だった。仕事の用事でパリに行くことになった。
もしかしたら会えるかもしれない!そんなバカな期待をしつつスーツを着てでかけた。
町にはあたりまえだがたくさんのフランス人。その中俺は一瞬で頭が真っ白になった。
”フランシス”
どんなに長い間会わなくても俺にはわかる。世界で一番愛した人...今でも鮮明に思い出せるフランシスとの思い出。
だが俺はすぐに気づいてしまった。あいつのとなりにもう俺の居ていいところが無いことに...。
久々に見たフランシスの左手には白く細くてきれいな手がしっかりと握られていた。
フランシスと同じ金髪でとても美人で賢そうな女性。どこかで会ったことがある気がする。いや、そんなことはどうでもいい
俺は甘かった、幼すぎたんだ。もしかしたらあいつもまだ...なんて夢みたいなことを考えていた。
馬鹿だよなぁ。ほんとに...。それでもまだ好きだなんて。