庭球<S&T2>
□相合い傘(リョ隼)
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午前中は晴れていた。午後は曇ってた。だから部活だってできた。なのに、部室で着替えていたら急に雨が降ってきた。
「傘…ない」
ポツリと溢した言葉にリョーマがつかさず突っ込みをいれる
「バカだね。朝、雨降るから傘持っていきなっていったじゃん。忘れたんだ」
「う゛…うん。」
わざとらしくリョーマはため息をつく
「どうしよう…」
走って帰れるほどの雨ではなく、バケツをひっくり返したような激しい雨だ
「リョーマ…」
「一本しかないからね」
「う゛〜。いつやむかなぁ」
「明日じゃない?夜も降るらしいから」
帰れないじゃんか!仕方ない。誰か傘余ってないかきくか?
期待は薄そうだ。案の定余っていなかった。これは最悪リョーマの傘にいれてもらうしかないかな。
問題はリョーマがいれてくれるか、なんだけど
「なぁ、リョーマ。一緒に帰ろうぜ。ついでに傘いれてもらえないか?」
「やだ。濡れるじゃん」
いや、ひどいだろ。かりにも、こ、恋人なのに。泣きそうだ、俺。
「全く、仕方ないね。なにそんな泣きそうな顔して。っていうか、そういう顔は二人だけの時にしてくんない?」
「?そういう顔って?」
意味わからない
「お前の泣きそうな可愛い顔」
「なっ、なっ…」
なにいってるんだ。リョーマは。恥ずかしいとかないのか?
「なぁ、越前がいれるのやなら、俺がいれてやろうか?」
「桃先輩」
「いいっす。隼人は俺と帰るから。ほら、早くしたくして。帰るよ」
「あ、うん。まって」
慌ててYシャツを着る。
「何やってんの?それ。」
なにがだよ?リョーマは変な顔してるし、桃先輩たちは笑ってる。
「リョー…?」
リョーマのなまえをよぼうとしたらリョーマに言葉を遮られた
「ボタン。かけ違えてる。ほら、こっちきて」
「うん」
リョーマはかけ違えたボタンをなおしていく
「ありがとう」
「まったく。てのかかる」
「悪かったな」
っといいあいしたら傘にいれてもらえなくなる。
「ほら、雨ひどくなるよ。帰らないわけ?」
「帰るっ…とお先にしつれいします」
「お疲れさまっす」
リョーマと挨拶をし部室を出る。うわぁ、雨すごい。