ばらかもんノベル@
□禁断症状
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俺は料理というものができない。よって、ひごろどうしているのかというと、大体はこのもんとヒロが持ってきてくれる奥さんの手料理で生きている。が、問題が発生した。このもんがきれたのだ。ないのだ。
「ない、ない、ない、このもんがなーい!」
ヤバイ。死んでしまう。ここ最近、奥さんが風邪でダウンし朝、昼とまともに食べられず、ヒロも学校があるから夜しかまともな食事をしていない。今の俺にはこのもんが食事であり、命の源なのだ。なのにきれてしまったのだ。このもんが
「このもん…このもん…このもん…こーのーもーんー!」
玄関先で今にも倒れそうになりながら叫んでいる俺をなるが発見する。
「大変だー、先生が倒れとる!」
「な、なる…」
「先生、どげんしたと?」
「このもん」
「このもん?」
「なくなった。食べたい俺の食事」
「わ、わかった!このもんとってくる!」
なるが走ってとりにいくとどうじに、おれはちからつきた。なるがじいさんと一緒にこのもんをもってきてくれた。
「ありがとう、なる、じいさん」
俺はその場でこのもんを頬張りひたすら食べていたという。満足したのか意識が朦朧となったのか俺はこのもんを食べたまま意識を手放し倒れたという。そこにきたヒロがあわてて俺を布団に寝かせてくれたらしい。なるいわく、「先生、姫だったこでお姫様みたいだった」と。また俺を姫だっこしていたときのヒロが嬉しそうに笑っていたとか。当分からかわれるねたを提供してしまったらしい。