庭球<S&T2>
□風邪
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次の日、朝から元気な隼人の声が聞こえてきた。
「リョーマー!」
トントンと戸を叩くと人の返事も待たずに勝手に部屋に入ってくる
「なに?朝っぱらから。うるさいんだけど」
「あ、いや、わりぃ。元気になったから…」
まさか、元気になったら顔見せに来たとか?そんな可愛いこと、してるわけ?お前は。
「で、なに?顔、見せに来た?」
「う゛…あ…なんで…」
当たりか。顔真っ赤にしてどもる隼人。
「お前見ただけでわかる。所詮、猿だしね」
「さるじゃねぇ!」
柄にもなく、元気に叫ぶ隼人を見て安心した。俺もどうかしてる。
「はい、はい。元気になってよかったじゃん」
「おぅ!あ、あのさ…リョーマ…」
「ん?」
「その、ありがとうっ」
照れ臭そうに言う隼人が可愛くて思わず抱きしめる
「え?あ?…リョーマ?」
「全く、心配させないでくれる?」
お前が調子悪いと俺も調子が狂うから
「あ、うん。ごめん」
「心配させた罰」
俺は隼人を思いっきり引き寄せベッドに引き倒す
「うわぁっ…なんだよ、…」
いいかけた隼人の唇を塞ぐ
「っ…ふぅっ…んんっ…」
隼人の口の中を貪るようにキスをする
「…ふぁっ…ぁっ…あっ…んっ…」
逃げようとする隼人を押さえつけ隼人の舌を絡み付激しくキスをすれば、苦しそうにしている隼人から背中を叩かれる
「…んんんっ…あぁっ…ん…」
可愛いけど苦しそうだからキスをやめ唇を離す
「お…おまえ…なぁ…」
「あんまり可愛い反応しないでくれる?これ以上抑えるの我慢できないけど、いい?」
軽くちゅっとキスを落とし隼人を見下ろす
「い、いいわけわるかぁっ!リョーマの…ばか!」
勢いよくゴンと頭突きをされ俺の手から逃げる隼人
「痛いんだけど、石頭」
「り、リョーマが悪いんだからなっ」
顔を真っ赤にし瞳をうるうるさせて怒る隼人に俺はニヤリと笑い言う
「それ、逆効果。誘ってんの?」
「んなわけ、あるかっ」
耳まで赤くして怒り部屋からでていく隼人を見ながら、ガキ、と呟き先程隼人とキスした唇を触り次はどうしてやろうかとドア越しに考えるのだった。