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□ベッドはキングサイズで。
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「今日は、フリオと一緒に寝るッス」
「はあ?」
少々困惑気味の表情を浮かべるのは好青年で世話焼きなフリオニール。
フリオニールが困惑するのも当たり前だ、なんせ彼らは晴れて恋人同士になった時からずっと一緒の部屋で寝ているのだから。
「いつも一緒に寝ているだろう」
「違うッス!今日は、一緒のベッドで寝るんスよ〜」
と、ティーダはぐいぐいとフリオニールのベッドに上がってくる。
「ちょっ、待てって、ティーダ!それ以上来たら………」
ドスン
と、フリオニールがベッドから落ちた。
「ぷ…っあはは!のばらのマヌケ〜」
なにおう、とフリオニールはグイ、と自分のベッドに勢い良く乗る。
「おわ…っちょ、フリオっ」
ドスン
今度はフリオがベッドに乗った反動で、ティーダがベッドから落ちた。
「お返しだ、ティーダ」
「〜〜っのばらのクセに生意気ッス!」
「ほら、もう少しそっちつめるッスよ」
「も、もう無理だってティー…いたっ」
ドスン
「もう少しつめれないか、ティーダ」
「俺だってコレ以上無理……うわっ」
ドスン
ドスン、ドスン、ドスン
ティーダがベッドに上れば、フリオニールがベッドから落ちて。
フリオニールがベッドに上れば、ティーダがベッドから落ちて。
男2人で寝るには明らかに狭いベッドの上だ、流石に一緒に寝るのは無理じゃないか、とフリオニールが言おうとした時。
ティーダは静かにベッドに乗り、少しぶっきらぼうな声で小さく、「もうちょっとこっちに寄るッス」と言った。
ティーダが一緒のベッドで寝ると言った意図をやっとフリオニールは理解して、フリオニールはそっとティーダを抱き締めた。
「これなら、2人共落ちないな」
「そッスね!」
満面の笑みを浮かべ、のばら頭いい!と、ぎゅうぎゅう抱きついてくるティーダを、フリオニールはしっかりと抱き返し、眠りについた。
朝になって、2人共ベッドから落ちていたのは言うまでもない。
(何やってるんだお前たち)
(あ、クラウドおはよッス)
(い、いや、そのこれには訳が……)
(フリオ、俺(打ちつけたから)腰が痛いッ
スよ)
(こっこら、ティーダ!そういうこと言うんじゃない!)
(…………………ほどほどにしてやれよ、フリオニール)
(ち…っ、違う!違うんだクラウド!クラウドさああああん!!)
この日1日中、59あたりにからかわれるんですよフリオは。
むしろ秩序組みんなからからかわれればいい!