詩ーうたー3

□減らない便箋
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あぁ、いったいあなた様は
どこへ行かれてしまわれたのか。


お手紙をお出ししても
「宛先不明」て私のもとへ。


何度も何度も書きました。
お会いしたい と。
お慕い申しております と。


それでも手紙は
私に戻ってまいります。




あなた様のあの日のお言葉
それは全て偽りなのですか?

私を好きだと
愛していると
囁いてくれたあのお声は
全て嘘だとおっしゃるのですか?



あぁ、愛しきお人。
貴方は今、いずこにおられるのでしょうか。
私を置いて
いずこに行かれたのでしょうか。




書いた手紙は数知れず。
紡いだ言葉は人知れず。




目の前には無数の便箋。

あの日から
減ることはございません。




あぁ、愛しきお方。
今すぐにでも
お会いしとうございます。


お会いして
お伝え申し上げたいのです。
私はずっとあなた様を
お慕い申しておりますと。




私の目の前のそれは
まるで届くことないこの想いの
悲しい悲しい証のようだわ。

『減らない便箋』
















(私は誰より貴女をお慕いあげております…)



























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