詩ーうたー3

□伝えられないアイラブユー
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(あ、いた)



いつもの時間、いつもの駅。
視線は、
自分も知らないうちにさ迷って
昔好きだったヒトを探す。

最初に気付いたのはただの偶然。
その偶然に私の心は、
思った以上に高鳴って
いつの間にか
無意識に、
私は彼に焦がれていった。

忘れていた気持ちが
蘇った気がした。


とくん、とくん。


見付けただけで嬉しくて
見付けただけで満足で。



とくん、とくん。


想っただけで苦しくて
想っただけで泣きそうで。



胸を占める暖かさと
意識せずとも高鳴る鼓動が
なんだか自分らしくなくて
恥ずかしくて、
恥ずかしくて。




そんなアイツに
話しかけることなど出来なくて。
それでも今は、
見ていられるだけで満足だから。


息をついて
視線をずらして
見つけることが出来たから
今日はラッキーかもなんて、
自分の単純さに笑う。



発展なんて望まない。
発展なんて望めない。
当たって砕ける覚悟など
私の中には少しもないから。




それでも、胸の中にある
溢れてしまいそうな想いに
唇が、音のない声を紡いだ。






















































(想っただけで伝わればいいのに)(、なんて)

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