ZONE;「LOVELESS」
□game.1 契約の夜
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game.1『契約の夜』
ある国のある日のお話。
そこは富豪が集まり、華やかに、豪勢に、優雅に、そして夢の様な舞踏会。
その舞踏会で、契約は結ばれた。
「…ユウ様。」
執事のマイラがあまりにも外に出ずに屋敷にこもる俺を心配して、ある舞踏会に足を運ばせた。
マイラの心配を取りのぞきたくて、一度行けばその心配性も落ち着くだろうと舞踏会に来たものの、疲れるだけで何もおもしろくも無い。
早まるのは酒を煽るスピードと音楽だけで、周囲の人ごみのように気持ちはついていかず、退屈を持て余していた。
「…何?」
「いえ、お飲物をワインからジュースへお代えになりませんか?」
執事のマイラは手にフルーツジュースを持っていた。
「……いやだ。マイラ、いつまでやめてくれないかな?子供扱い…」
「失礼を致しました。お許しください。」
長身の綺麗な躰を折り曲げて、頭をさげた。
マイラのブロンドが揺れる。
「いい。下がれ。」
マイラはまた軽く頭を下げていなくなった。
華やか舞踏会も飽きが入ってくると、夜には不自然に目に眩しく、耳には騒音だ。
すると突然、会場がまた一層騒々しくなり華やいだ。
「…なんだ?」
軽い人の渦が出来ていた。
渦中の人は…ブライト・ライ・ハイネ伯爵。
「…あれが噂の『花のハイネ』か。」
『花のハイネ』。
噂に聞くとおり、見た目の華やかさはさることながら、しなやかな肢体に纏う服ひとつとっても完璧な男、だけど何を考えているのか全くわからない喰えない男だと聞いていた。
あと一つ余談で有名なのは、ハイネの性癖。
ハイネは綺麗なものには目がなく、性別、老いも若いもきにしないという。 (「まぁ、自分とはまったく正反対…というところかな。」)
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