犬も歩けば棒に当たる。…私は何に当たる?
□LAN AWAY!!
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拝啓、親友である本田菊さま
こんにちわ。
なれない日本ごですが、今日の会ぎの事を休んだ菊の為に手紙をかいて送ります。
10画より少ないかん字と菊の名前しかかけないですがお許しくださいませ。
今日の会ぎはやっぱり何も進みませんでした。
あるがふざけてあーさーが怒ってふらんしすが脱ぎました。
でも、少しだけ変わった事がありました。――――
「なぁなぁ、好きなんやろ?」
「好きじゃない!」
「ええ加減素直になりぃ」
「訳わかんない!」
近付くな! と叫んで私はまた全速力で走った。
走って走って走って走って逃げては転けてまた走った。
世界会議場を駆け巡る。
どこかでムキムキな誰かが怒鳴った声や、メタボな誰かの巻き舌が聞こえるそんな場所。
その愉快な会場でとにかく奴に捕まらないように。
とにかく今日も逃げきれるように。
私は今日も走るのだ。
そう、今日も。である。
「いい加減素直になりやぁあああ!」
「フランシスパス!」
「プーパス!」
「いらねーよ!」
「俺やて嫌やわ」
カリエドの低い声とドスリという音が後ろで聞こえた。
どうやらギルが蹴倒されたらしい。ざまぁ。
しかし私にはその姿が見えなかった。それは凄く残念だ。
フランシスはどうしたんだろうと、思いきってちら、とほんの少し後ろを見るとギルと重なったフランシスがいた。
フランシスは多分どさくさに紛れてやられたのだ。
まあ、ざまぁ。
彼のポケットに入っているかもしれないお菓子が無事である事を願おう。
しかしてその弱っちい2人では大した障害にもならず。
奴との距離も縮むばかり。
「誰か助けてぇええ!」
「どないした春海! なんかあったん!?」
「不審者に追われてる!!」
「なんやて!? 大丈夫か春海」
お前の事だあぁあ! と力いっぱい叫んで私はまた走った。
なんでか後ろにいたカリエドもスピードを上げて追い上げてくる。変態かそうなんだな変態だな。
どんなホラゲーかは知らないがとにかく私は逃げまくる。
一度捕まればきっと二度と自由は手に入らないだろう。
多分の仮定だけど。
「またお前等か! 廊下を走るな!」
「ムキム、ルート助けて!」
「自分でなんとかしろ」
突然バタンと開いた前方の控え室のドアから飛び出した怒鳴り声は、私と後ろのカリエドに注意を促した。
しかしただそれだけで。
ルートが開けたドアは部屋の中に私を入れることなく閉められた。
ルートは兄貴のギルと違ってまじめでムキムキでついでに頭もムッキムッキだから私の意見も見事に跳ね返されたんだ。
「なぁ春海一緒にお茶しよ言うただけやんなんで逃げるん」
「わざわざ人の腰触りながら言うからだ!」
「ちぃとした挨拶やって!」
私は走る。カリエドも走る。
会議は踊り、世界は回る。
この世で止まってる物なんて何一つない。
だから私たちも止まらない。