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□記憶
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彼が眠っていたこの数日…

上からは僕の不注意だと激怒され

日に何度も出現する閉鎖空間へ毎回赴き

精神的にも体力的にもキツイ日々だった。

でも…

「やっとお目覚めですか。ずいぶん深い眠りだったようですね」

やっと彼が目を覚ましてくれた。

どんなに上から怒られようが
どんなに灰色空間でキツイ思いをしようが

彼が目を覚まして

「古泉」

と 一言
僕を呼んでくれれば
全て吹き飛んでしまう

それほど 僕にとって彼は特別な存在なのだ

「目を覚ましていただいて助かりました。本当に、どうしようかと思ってたのですよ。
おっと……ぼんやりなさっておられますが、僕が誰だか解りますか?」

三日ぶりに彼の声が聞ける嬉しさから、やや早口でそう言うと

少し間をあけて困惑気味に彼はこう言った

「あ…の…どちら様ですか?」

そう言われた瞬間
頭が真っ白になってしまった…。
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