少女の幻想

□懐かしの再会
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「ふあー…蓮。おはよー」

『おはよう。フィルモン。』


翌日のお昼頃
蓮はカップめんを啜りながら

起きてきた フィルモンに挨拶する


「蓮も今起きたの?」

『うん。つい寝過ごしちゃった。
しかも僕等が寝てる間に太一が迎えにきたみたいだよ』

「そうなの?きっと九人目の事だよね。
僕等も行かないといけないんじゃない?」

フィルモンは蓮から少しもらった
カップめんを食べながら蓮に言う

蓮は何だか乗り気ではなかった


「どうかした?」

『ん…今日は太一達だけで探してもらえないかな…って思ってるんだけど』

「え!?どうして!?
……もしかして今日は何かあるの?」

『…今日…ね。
母さんの命日なんだ。』


蓮は視線を昔の写真…
母親と幼い自分が写る写真を見つめる


「この人が蓮のお母さんなの?」

『そうだよ。』

「蓮によく似てるね…」

『みんな、そういうね』

「…命日って事はお母さんはもう…」

『この世にはいないよ。
しかも父さんも仕事でお墓参りにいけないから
僕がいかなきゃね。』

「そっか。じゃあぼくもいくよ」

『ありがとう。じゃあ用意するから待っててね』


蓮はそう言って
自室に入った


しばらくすると
蓮が白いワンピースを着て

それに合う帽子を頭に乗せ

いつもとは違う蓮にフィルモンは気づく


「…蓮ってそうしてるとお嬢様みたいだね…」

『フィルモン。君
神田家の令嬢を目の前に失礼だよ。』

「……え…!?
令嬢って…お嬢様のことだよね?
蓮が…お嬢様……!?」


未だにショックを隠せない
フィルモンを無視して
大きめのかごバッグの中に入れる


『家では喋ってもいいけど
外では喋らないでよ?』

蓮はそう言いながら
玄関に向かおうとした時
チャイムがなった


『え…こんな時間に誰だろう…まさか、太一達かな…』


ぶつぶつそう言いながら
玄関に向かう



『はーい。どちら様―?』

ガチャリと開けた瞬間
腹部に何かがぶつかったのがわかった。




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