第一期番外編小説

□バースディ
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〈11月18日〉
今日は一年に一回の大切な日。
だけど、そう思ってるのわ、私だけ。他の人はどうでもいいかのように何時もと変わらない一日を過ごすんだ。
けど私はそれを当たり前の現実だと受け止めれる。
だってもう中学生だもん。

それに1番祝って欲しい人達はもう居ないから………。
私は一人ぼっちになってしまったんだ…あの日から…。



私が私を与えられた日に私は全てを失った。
こんな私に生きている意味はあるのでしょうか?
今日も私は一人ぼっちで一つ歳をとる。

何もないのは悲しいから自分で買ってきたバースデーケーキの代わりの蝋燭が歳の数だけ刺さったシュークリームと少し奮発して買ったマフラーを並べたら…余計に虚しくなる私の心。

でも私はそんな弱い自分を認めたくないから、過去の自分の齢と共に弱い自分を蝋燭の炎を吹き消すようにフッと息を吐いた。
蝋燭が消えるように私の中の何かが消えていく。
当たりは真っ暗になり静寂に包まれた。
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