My novel -ver.dream- short.

□祭り
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雨期も終盤に差し掛かり、だんだんと暑くなってきた。 そろそろ、夏祭りの時期だ。今年こそは、彼と……
「千鶴、おい、千鶴!!」 「…あ、はい!!」 「どうしたんだ?最近ぼーっとしてることが多くないか?」 「あ、すみません!!つい、考え事を…」 うっかりしていた。             夏祭りだなんだと浮かれてはいられない時期だった。 --最近、近くのお屋敷何件かで殺人事件があった。土方さん曰わく、『当然犯人の目星はついてはいる。だが、なかなか尻尾を出さなくてな…全く、手間かけさせやがって。』…と、土方さん含む新撰組全員が苦労している。 結局、苦労と言っても当の私自信は手伝いばかり…早く土方さんの役に立ちたい!そう願うばかりである。
…でも、お祭り行きたかったなぁ……去年も色々遭って行けなかったし、今年こそ!とか思ってたのに…はぁ。
「千鶴、さっきから何溜め息ばっか着いてんだ?悩むようなことがあったのか?」 「あ、なんでもないです!気にしないで下さい!!」 そうだ。今、迷惑を掛けるわけにはいかない。一刻も早く事件を解決しなくちゃならないときに余計なことをしちゃだめだ!!
---そして夏祭り当日、遂に犯人の尻尾を掴むことが出来た。
多少の怪我人は出たものの、その日のうちに事件は解決。 ふと、空を見れば既に陽は朱に染まり、祭りも後半であろう時間帯になっていた。 はぁ、今年もダメだった。
と、ぐぃと突然腕を引っ張られる。「土方さん!?どうしたんですか??」 そのまま走り出した彼に必死に足を追いつかせ問う。 「行きたかったんだろ?」 「え?」 「祭りだ祭り。今からでも間に合うだろ?」 祭り。と言う言葉にとても嬉しさを覚えつつ、「でも、まだ事件の後始末が…」 「良いんだよ、今日くらい。それに、近藤さんにはちゃんと許可を貰ってきた。…行くぞ。」 「はい!」

---その日は、私にとって良い思い出になった。祭りに行けたこと、そして、土方さんと一緒に行けたこと。 ----その日は、いつもより早く眠りに着いた。

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