文章
□序
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「つまんねー」
玉座に座る魔王が呟く。
玉座の横には巨大なテディベアが座っている。
魔王とはいうものの、
玉座についているのは年端もいかない少女で、
濃いピンク色の髪をポニーテールに束ね、
魔界立魔界学校の制服をまとって
むくれていた。
「ちくしょー、つまんねー。
なんで勇者来るんだよちくしょー!!!」
「仕方ないだろ、ここ魔王城なんだし」
玉座の前に立つ、武骨な男が
うんざりした様子で応じた。
「うっせえバカ」
「はいはい」
頭からツノが生え、筋骨隆々、
長身で目は細くて口から尖った八重歯が覗き云々−−−
なんか怖い顔立ちの男が慣れた対応をする。
魔王が不機嫌なのには訳がある。