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□その5 14才、はじめてのおつかい。
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→魔王について(軽い説明)。




その事実が発覚したのは、
まおの一言からだった。

「まー、あれどうしたんだ?」

魔王はまおに、
きょとんとした顔を向ける。

「あれって?」

「うちに代々つたわってるあれ」

ぼっすんが思い出した様に頷く。

「ああ…、あれ。
ここ何年か見てないけど、
魔王どうしたんだ?」

魔王、沈黙。

「………まー」

「いや、えぇと……」

魔王が口ごもる。

「………」

「………」

ぼっすんとまおが、
疑いの目を魔王に向ける。

こいつ、なにかしやがったな……。

「あの、えっと……」

魔王は尚も悪あがきをしようとしていたが
現在、魔王城内の最強タッグの
無言の圧力には耐え切れなかった。

「………折りました」

ボソッと魔王が答える。

ぼっすんとまおは、
微妙に聞き取れなかったのと
信じたくなかったのとで聞き返した。

「………えっ?」

「折りました………」





「ただいま〜〜WWWW」

「ただいまぁ」

はっすんとまっすんの
ダンジョン開拓コンビが
新しいダンジョンを完成させて、
魔王城へと帰ってきたのだ。

空気を読めないコンビでもある。

「…………」

みんなが、どんよりとした顔で
二人を見る。

「ちょWWWねぇWWWW
もう少し歓迎してWWWW
ダンジョン作って帰ってきたのにWWWW」

「いっかげつぶり〜」

まっすんがひしっ、と
魔王に抱き着く。

「うわWWW知らない子がいるWWWW
つーか、まおWWW
帰ってたのかよぅWWWW??」

はっすんとまおも同級生である。

ただ、魔王とまっすんほど
仲良しではない。

まおは、はっすんの言う
知らない子を指差す。

「これ、うちの息子ね」

「うわWWWしっかり年喰ってるWWWW
まおに子供とか、想像つかねぇWWWW」

「想像しなくても実物いるし」

「でWWW
何の話してんのWWWW?」

魔王の間で車座を組んでいるメンバーに
はっすんとまっすんが加わった。
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