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□その1 建設中のダンジョン防衛作戦
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魔王の間には
いつも通り、ともちゃんとぼっすんがいた。
魔王が座っているはずの玉座には、
棺が一個のっている。
その棺(の中身)が、魔王である。
「腐らないかなあ…。
心配だなあぁ…」
さっきからともちゃんは、
棺の前を行ったり来たりしている。
彼女はつい5分ほど前に、
棺の中に、ドライアイスをぶち込んだばかりだ。
「落ち着けよ。
俺とお前じゃどうにもならないんだぞ」
ぼっすんは床に腰を下ろしてくつろいでいる。
魔王の名前は、『まー』という。
性別は女で、今年で14になる。
ついでにlevel1で、メラしか使えず、
杖すら装備出来ない。
そんなに弱いのは、
元々魔王を継ぐ予定がなかったからに
他ならない。
『7年前の惨劇』
その事件が、まーを魔王にしたのだが
その惨劇は表沙汰に語られることなく、
密かに囁かれ続けている。