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□その2 逃亡魔王
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そんなこんなで魔王が歩いてると

「見付けたああぁあぁッ!!!」

女学生しかいない通りで男の声が響いた。

魔王+女子生徒は、一斉にそちらを見た。

そこには女子生徒に紛れて
勇者のゆーいちと、その仲間のまほがいた。

ゆーいちは黒髪の没個性的な
どこにでもいそうな勇者で、
まほはいかにも魔法使いという
白い尖んがり帽子をかぶり、
目元を覆うくらいに前髪を伸ばし
うしゃしゃ、と笑った口元が
印象的な魔道士だ。

二人とも、魔王と同じくらいの
年頃の少年であり、
何度も魔王を倒しに来ている
常連さんである。

「キャーーー!!!」

魔王は悲鳴を上げる。

時折フィーバーしてる女子の放つ
ハウリングみたいなアレだ。

回りにいる奴は、うっせえなコイツ、
と、顔をしかめたくなるアレだ。

「ゆーいち、かえろーぜ。
おれ、女苦手ぇ」

まほは気分の乗らない様子。

しかし、ゆーいちは女子に囲まれて
大分テンションが上がっている。

「はっはっはっ!!
魔王!!ここにはツノ女も
でけぇツノ男もいないぜ!!!」
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