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□その3 殺戮龍爆誕
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ぼっすんは王座に座る魔王が
タオルに包まれた何かを膝に抱えていたので
首を捻る。

「なんだそれ」

じろじろと観察しているぼっすんに
魔王は自慢げにタオルに包まれた
卵を見せ付ける。

「いいでしょ〜卵。
びす子がくれたの〜

「なんの卵だよ」

「さあ……
わからないからおもしろいんじゃん」

物事を計画的に進めたいぼっすんには
よくわからない感覚だ。

つーか、それ以前に…

「どこでてにいれたんだよ」

魔王はぼっすんが
暗に、捨てろと言いたいことに
全く気づかない。

「びす子がくれた。
びす子はおねぃちゃんにもらったみたい

嫌な予感大だ。

駄目上官あっての駄目部下コンビの
コンボだ。

もう、かなり怪しい物だ。

ぼっすんとまおは同期の桜である。

ぼっすんは、まおもびす子も
1_も信用できない。

「それ、孵化できるのか??」

まおが失踪したのは七年前なので
この卵は、少なくとも七年前のブツだ。

腐ってないだろうか。

「やってみるけど、
しなかったらしなかったでいいかな〜」

嫌な予感しかしなかったが、
魔王の私物を取り上げる訳にいかず、
そのままにしておいた。



それから、どこに行くにも魔王は
タオルにくるんだ謎の卵を
離さずに持ち歩いた。

仕事から帰ってきたともちゃんに
ぼっすんが事情を説明するも、
魔王軍に入ってから
まだ日の浅いともちゃんは、
まおの恐ろしさを知らないため、

「え〜、
まーちゃんがやりたいなら
やらしておいてい〜じゃないですか〜」

と、気にしてくれなかった。



そんなこんなで三日後。

「ともちゃ〜ん、ぼっす〜ん!!!」

珍しく魔王が走ってきた。

「生〜ま〜れ〜る〜!!!」

「本当!?」

「まじで〜!!
びす子呼んできて観察しよ〜!!」

魔王とともちゃんは
嬉々としてびす子の部屋へと向かう。

ぼっすんは、関わりたくないので
情けないが、その場に残った。
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