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□その7 魔王城陥落の危機。
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「ち、違うけど」


「違うのかよ」


まほはあからさまにがっかりした。


「やめろよがっかりすんなよ。
俺が身に着けた必殺技………、それは、召喚魔法だ!!」


ビシィッ、とゆーいちがキメた。


「へぇ」


まほの反応は冷たい。


「な〜ん〜で〜だ〜よ〜!!」


ゆーいちは突っ込む。


「いや、なんでって言われても」


まほはゆーいちが勇者育成課程を経て勇者になったように、魔導学校を卒業して魔法使いになっている。


まほは攻撃魔法科を専攻していたが、空いた時間に召喚魔法科の基礎召喚系授業を聞きに行っていたのだ。


「………っていう訳で俺、基本くらいはできるんだけど」


「ちっくしょぉぉぉぉおお!!」


ゆーいちは膝から崩れ落ちた。


それはそれは見事な崩れ落ち方だった。


が、すぐさま立ち上がる。


「否、俺の召喚魔法の方が優れているはずだ!!
見ろ、まほ!!」


ゆーいちは足元にガリガリと円形と幾何学模様を組み合わせた文様を描き出し、その中央に立ち魔力を練り始める。


「どうだ、まほ!!まねできまい!!」


「え〜………、スライム……の召喚?」


「ガーン………」


ゆーいちは再び膝から崩れ落ちた。


大当たりだ。


まほもそれを察したらしい。


「まあ、付き合ってやるからさっさと済まそうぜ?」


「は、はい………」


かくして半泣きのゆーいちはまほは一緒に魔王城に向かったのだった。


ゆーいちの去った魔法陣の上に白い物体が現れたのに気付かずに。
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