灰男
□お願いだから、
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「あーあ、ついてねぇさー」
「ん?どしたの?ラビ、」
「明日俺の誕生日なんさ。でも今回の任務、今日で終わんねーだろ?」
「ん…まぁ、そうだね」
ふと彼女の顔が曇った気がした。
どうした?と聞いても、ううん、と言って首を横に振るだけ。
不思議に思いながらも、あまり他人のことに口を出すのもどうかと思い、開きかけた口を閉じる。
でも、彼女を好きな俺は、二人で誕生日を迎えられるならそれもいいかもしれない、なんて思いつつ、今日泊まる宿を探し歩いた。
「……………誕生日、か…」
そう彼女が呟いたのも知らずに。
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