アイユメ
□Q5
1ページ/2ページ
慌ただしい毎日が過ぎ、あっという間に入学してから一週間が経とうとしている。
―今日は日曜日。
部活は午後からなのであんなと待ち合わせして、買い物行きます♪
久しぶりだなー。
この前までは入学でバタバタしてたし、その前は受験勉強で忙しかったもんね。
今日は思いきり買い物楽しもう!!
「ねぇカノジョ、一人?」
うわ、ちょ、誰!?
あたしこれからあんなと買い物なんだけど!?
てゆーか三人んんっ!?
女の子一人に男三人ってどーゆーこと!?
「あ、ごめんなさい。
人待ってるんで。今一人だけどそのうち来るんで。」
だから触らないでください。
いや、なに肩組もうとしてんの!?
そんなフレンドリーな感じいらないし。
「あの、離してください…っ…」
ひぃぃいいっ!!
気持ち悪ぅぅうううっっ!!!
そんな顔近付けないで!!
「……あの顔近いんd「美夢、待った?遅れてごめん。…俺の彼女になんか用ッスか?」
「…ちっ、ヤローつきかよ。」
「つか、こいつって、モデルの黄瀬涼太じゃねぇ…?」
あ、やっぱり知ってるんだね。
あたし知らなかったけど。
黄瀬君が来た瞬間、ナンパ男達は蜘蛛の子を散らしたように逃げて行った。
「あ、の……黄瀬君………?
もういいよ…?」
てゆーか顔近いよ!!
さっきの人達と違ってカッコイイけどさ!!
でも息が!
あたし耳弱いって前にも言ったじゃん!!
「大丈夫だったッスか?」
「っん……///」
ちょっ、だめだって!!
それわざと!?
わざと耳元で話してるの!?
「顔、真っ赤。」
「………ぅるさい…っ…//」
モデルやってる人が近くにいたら照れるでしょフツー。
「美夢サンってほんとかわいい人ッスよねー。」
「Σんなっ」
「っと、お友達、来たみたいッスね。
それじゃあ、」
「あ、うん。ばいばい。」
…黄瀬君は何しにきてたんだろう……。
部活が午後からだから、黄瀬君も買い物かな?
「ごめん、美夢っ。
途中で変な男にカラまれちゃって…ったく、気持ち悪いっての。」
「あ、あたしも!
肩組まれてさー。気持ち悪いのなんのって。」
「ま、とりあえず買い物行こうか!!」
でもあんなの買い物って長いんだよなーと心の中で呟いて、店に向かった。
―二時間後――
「ねぇまだぁー?」
はい、飽きました。
だってあんなの買い物ほんと長いんだもん。
「んーまだー。
隣の店行ってみたらー?」
これって一緒に来た意味あるのかなぁ…?
ま、いっか。
暇つぶしくらいにはなるかもしんないし。
「じゃあ終わったら連絡ちょうだいねー。」
「はーい。」
あんなはおしゃれだから、私服には特に気を使ってる。
すごいなー。
あたしなんて適当なのに。
あ、いやちゃんと決める時は決めるけどね。
「―あ、これ黄瀬君に似合いそう。」
ふと目についたのは、黒地に黄色のライン。
黄瀬君ってカッコイイけど派手なのよりもシンプルな方が似合いそうだよね。
「………今日のお礼ってことでいっかぁ……」
なんとなく自分に言い訳しながらそれを買った。
お礼だからね、うん。
あ、でもモデルだしブランド物しかつけない(←偏見)んじゃあ………。
だとしたらどうしよう。
でももう買っちゃったし…。
.