アイユメ

□Q11
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あんなからあの話を聞いて、すでに一週間が経った。

先輩達からは何もない。



――だから、油断していたのかもしれない。


「ねー黄瀬君、そろそろいんじゃないかなー」



「ダメッス。もしかしたら今日かもしれないし、明日かもしれないじゃん」


「大丈夫だよ。てゆーか一緒にいたほうが反感買うんじゃないかな?」



「それでも俺が傍にいたほうが安全ッスから」


真っ直ぐにこっちを見る黄瀬君。

カッコイイな、くそ。



「あっ、そういえばあたし、今日部活いけないんだった」


「どうしてッスか?」



「いや、日直の仕事あってさ。
あと、委員会のほうでトラブルあったらしいの。
だからそっちの片付けみたいな。


結構時間かかるらしいけど、もし行けたらちゃんと部活にも行くから。
……そんな心配そうな顔しないでよ」


日直の仕事はすぐだし、委員会の仕事も人はいる。

だから心配されるようなことはないのに。


黄瀬君は、とても不安げな顔をして。



「だけどもし、委員会に行く途中で何かされたら?」


「大丈夫だよ。全く人がいなくなるワケでもないでしょ」


「……やっぱ俺も部活休んで「今黄瀬君は大事な時期でしょ。
あたしなんかに構って部活休んでる場合じゃないよ」……でも、」



必死になってくれる黄瀬君を見て、やっぱりこの人は優しい人だと思った。


「俺は、バスケよりも美夢サンのほうが…「黄瀬君、あなたにとってバスケとあたしは天秤にかけるモノじゃないハズだよ」…」



思ったよりも冷たい自分の声に。


自分が驚いた。



多分、今のあたしの顔も冷たい表情だ。

なんでだろう。


「黄瀬君にとってのバスケは、あたしとは全然違うモノだよ?」



「……そうじゃなくて、ただ俺は美夢サンが心配で…」


「大丈夫だってば。あたしもなるべく一人にならないようにするし、何かあったら連絡する」



ね?と微笑んでみせれば、やっと黄瀬君も笑って。

絶対、何かあったら連絡するんスよ?


そう言って頭を撫でてくれた。


周りで、女子のヒステリックな叫び声が聞こえる。



……でも、どうしよう。
頭撫でられんの、めっちゃ気持ちいい。

懐かしいよね、うん。



「……ホントに大丈夫なんスね………?」


「うん、」




心配性だね、と笑いながら、とりあえずその話は終わった。










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