復活

□結局は。
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「おはよう、恭弥。今日は遅いのね」


「あぁ、草食動物が群れていたからね。
意外と時間がかかったんだ」



「そう。お疲れ様。
あ、そういえば手紙、きてるわよ」


彼女の声は、好きだ。
高くもなく、低くもない。

落ち着いた声で、でも凛としていて。


純粋に、綺麗な声だと思う。



「―――ありがと」


「ん」



―それに、彼女は僕がやっていることに関して、何も言わないから。

この前、ボス猿と戦っている最中にあんなをみかけた。


あっちも、気付いていたんだろう。
それでもあえて、あんなは何も言わない。


―そういう賢いところも、好き、かな。



「あんなは今日、何か予定はあるの?」


「ああ、うん。ちょっと隣町にね。
呼び出しくらっちゃったから、そこのチーム潰すついでに隣町の調子のってるヤツらも一緒に潰そうかと思って。
あ、恭弥は来ないでね。
久々のおっきい獲物なんだから」


「………危なくなったら連絡くらいは寄越してよ」



「りょーかーい」


喧嘩が強いところも、好きだ。
あと、すぐに人を頼らないところも。


短いのに、ちゃんと手入れされてるって一目で分かる髪とか。
いつも真っすぐに僕を見る瞳とか。



――結局。
僕が何を言いたいのかというと。



僕はあんなが好きなんだ。

無謀なことにも立ち向かっていく姿勢とか。

ちゃんと自分の信念をもってるとことか。



とにかく全てが好きで。


………ちょっと悔しいけどね。









(好きな人ってさ、)

(全部が好きで)

(仕方ないよね)
 

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