黒籠
□三つのキセキ
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-1月1日午後4時-
約束通り俺は今美夢の家の前にいるワケで。
チャイムを鳴らそうとして既に10分が経った。
いや、指がな?
動いてくれねぇんだよ。
でももう4時になるし……
クソッ、ここは覚悟を決めるしかねぇな。
そして、チャイムを鳴らそうとした瞬間――
-ガチャ
「うぉっ!?」
いきなり扉が開いた。
ひょこっと顔を出したのは美夢。
「あ、笠松先輩じゃないですか。
どうしたんですか?
来てたんなら連絡してくれればよかったのに」
「あー…イマ来たんだよ。
遅れて悪ィ、な」
いや、ホントは結構前からいたんだけどな?
「あぁ、いえ。
あたしも今準備できたので調度良かったです」
「そうか?」
多分、ホントは結構前から準備できてたんだろうな。
…つーか……
「そのカッコ……」
「え、あ、なんかヘンですか!?
それとも先輩はこういうのキライでしたか!?
なんなら着替えますけど!!」
「いや、似合ってるよ。かわいい」
「!!////」
ふいに自分が何を言ったのか、美夢の顔が紅くなるので気付いた。
い、今…かわいいって………
うわぁぁああっ!!(壊)
いや確かにかわいいけど!
その長い袖で手が隠れるのって好きなんだよな、俺。
って俺の好みなんてどうでもいいんだよ!!
「とりあえず、行くか」
「はい!
あ、そうだ。あの……せ、先輩の私服もカッコイイですよ…?
あたし先輩の私服姿って初めて見たのですごいドキドキしちゃって…///」
「あー…///うん、さんきゅ」
ほんとコイツかわいい。
アレだ、誘ってよかった。
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