黒籠

□会いたいきもち。
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君の姿が、浮かんでは消える。


まるで、掌に舞い落ちた、雪のように。




会いたいよ。


ぽつりと呟いた言葉は、風に掻き消された。

もう、二ヶ月は会ってない。



「忙しいのは分かってるけど、」


それでも、寂しいんだよ、涼太。


今日も鳴ることはないであろう携帯を握りしめて。



時折吹く冷たい風に身体を小さくさせながら、家路についた。










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