汚れたこの世界で

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「クソ…イライラする…」

「神田、なにイライラしてるの?」

「そういえばユウ、新しいエクソシストのヤツ見たか?むっちゃキレーだったさぁ。もう、俺のドストライク!」


朝から機嫌の悪い俺に、いつも通りに話しかけてくるリナリーと兎。毎度のことではあるが今来られると余計にイライラする。睨みつけると、リナリーに頭を叩かれた。


「まったくもー、睨まないの!」

「…浅紫の、髪の長い女知ってるか?横で髪を結んだヤツ。白い団服だったから探索部隊だと思うが」


昨日の女の特徴を告げると、リナリーの横にしゃがんでいた兎が手の平を叩いた。

「ああ、ノエルさ?あの人が新しいエクソシストさ。そっか、ユウは任務についてたから会ってないんだよな。白い団服だったから俺も最初は探索部隊だと思ってたさ。でもエクソシストなんだってな。今日歓迎会するらしーぜ」

「ノエル、か…」

「神田が気にするなんて珍しいわね。何かあったの?」
驚いたように尋ねるリナリーになんでもねぇ、と答えて席を立った。その瞬間、肩口に何かがぶつかった。それと同時に頭一つ分低いところで小さな悲鳴が聞こえた。それから、食器がいくつか割れる音。

すぐさまリナリーが駆け寄って俺がぶつかったヤツに声をかけながら食器を片付け始めた。


「あっつ…。自分でやるので大丈夫です」

「でも…」

「あなたにケガさせると私がコムイに怒られるんです」

「ごめんなさい…」

「気にしないでください。別にあなたは悪くないです」


リナリーを無理矢理立たせ、ちらりとこちらに視線をなげたのは昨日のアイツだった。
鋭い眼光。浅紫の髪。昨日はわからなかったが、首筋には鳥…?いや、龍か?何かよくわからないがタトゥーが彫られている。
右耳にはピアス、左腕にはブレスレットをしていた。

…って俺はなんでコイツをまじまじと観察してんだよ。












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