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□ネクタイを解く手
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-シュル…、
あ、今。
今の仕草。
ネクタイを解く手。
その手の動きがなんかエロい。
「バカかお前は」
「いやだってそうじゃん」
「変態か」
「違うよ!!幸男がやるとそう見えるの!!」
こう…ネクタイに指をかけて、少しずつ緩めてくとか。
ある程度緩めたらそこからはしばらくそのままとか。
とりあえずネクタイとる瞬間ってエロい気がする。
ブレザー最高。
ブレザー大好き。
てゆーかネクタイ大好き。
「うるせーな、お前は。
黄瀬とかがやったって一緒だろ」
「あ、確かに。あーでも黄瀬君は顔が整ってて爽やかだから、ネクタイ外しても爽やかそう」
「あ"?」
「だからね、要するに、幸男だからそう見えちゃうんだよ」
「………本気で頭おかしいな」
「待って幸男!!確かに頭おかしいかもしれないけど!!
ってゆーかおかしいのは認めるけども!!
もう一つ認めてることがあるの!!
だからお願い聞いて!!そんな可哀相な子を見る目であたしを見ないで!!」
視線が痛い!!
刺さってるよ!!
痛い痛い!!
でも、幸男はちゃんと聞いてくれるみたいだ。
身体をこっちに向けて。
なんだよ、なんてため息をつきながら、ちゃんと話を聞いてくれる。
「あたしが認めてるのは、頭がおかしいことは勿論のこと、」
あれ、言ってて悲しくなってくるのはなんでだろう。
でも。
本当に伝えたいのは今から言うことだ。
「幸男のことが、好きってこと」
そう言った瞬間、幸男の顔は真っ赤になった。
え、なんで?
『怒りのあまり』とか?
ちょ、あたしなんか悪いこと言った!?
「おま……それ、反則…///」
「え、なに!?なんかルールなんてあったっけ!?あたしの負け!?
ってゆーかなんの勝負してたんだっけ!?」
「………あー、もう…いいよ、俺の負け。つーか俺だけが負け。
今度からそういう不意打ちやめとけ」
心臓に悪い、とかぼやいてる幸男の顔はまだ真っ赤で。
でもあたしは、幸男って心臓悪かったんだっけ?なんて的外れなことを幸男に聞いて、殴られた。
そしてそれから。
幸男のことが好きだからフツーの動作もエロく見えるのか、なんてよく分からない答えを導き出した。
(その解いたネクタイを)
(私の首に巻いてほしい、)
(なんて思ってたり)