恋ノ唄
□06
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カチャ―と、静かに扉を開ける音がした。
振り返るとそこにいたのはコムイ。
「春花ちゃんの部屋、決まったよ。
君は神田君の斜め向かいの部屋になったからね。
ラビ、あとで案内してあげて」
「…神田……って、どんな人ですか…?」
当たり前のような疑問を、コムイに投げかけた。
「神田ユウ。あいつのフルネームさ。
こーんな目してて、黒髪でめっちゃ髪なげーんさ。
愛想は悪いけど、悪いヤツではねーさ」
しかしそれをキャッチし、見事に投げ返したのはラビで。
「ふぅん」
自分から聞いたものの、大した興味もわかなかったので、流しておいた。
しかし、愛想が悪い、というのは自分にとって好都合かもしれなかった。
「神田君は今まだ任務中なんだよね〜。あ、でも明日には帰ってくるハズだよ」
「そうなんですか。他に話がないようならあたし、部屋に行きたいんですけど…」
「あ、それはちょっと待って。団服つくんなきゃいけないからサイズ計ってもらってくれるかい?」
「はぁ…。あの、その団服ってみんなパンツタイプなんですか?」
「いや、スカートもあるよ。春花ちゃんはスカートのほうがいいかな?」
スカートはないな。
基本スカートは嫌いだし。
もし選べるならパンツのがいいよね。
「いえ、パンツタイプでお願いします」
「わかった。じゃあ今、リナリーを呼ぶから、あっちでリナリーに計ってもらって」
「あ、はい」
リナリー……かぁ。
女の子、だよね。
+++
しばらくして、長い黒髪をツインテールにしたかわいらしい女の子が室長室に入ってきた。
「あなたが春花?」
「…はい、そうです」
「私はリナリー・リーよ。よろしくね、春花」
うわ、かわいい。
―けど、あんまり好きなタイプではないかも。
とりあえずにっこり笑ってはみたけど、上手く笑えてたのかな。
「それじゃあ、サイズ計るからあっちに行きましょう」
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