恋ノ唄

□06
1ページ/2ページ




カチャ―と、静かに扉を開ける音がした。




振り返るとそこにいたのはコムイ。


「春花ちゃんの部屋、決まったよ。
君は神田君の斜め向かいの部屋になったからね。
ラビ、あとで案内してあげて」


「…神田……って、どんな人ですか…?」


当たり前のような疑問を、コムイに投げかけた。

「神田ユウ。あいつのフルネームさ。
こーんな目してて、黒髪でめっちゃ髪なげーんさ。
愛想は悪いけど、悪いヤツではねーさ」



しかしそれをキャッチし、見事に投げ返したのはラビで。


「ふぅん」


自分から聞いたものの、大した興味もわかなかったので、流しておいた。



しかし、愛想が悪い、というのは自分にとって好都合かもしれなかった。


「神田君は今まだ任務中なんだよね〜。あ、でも明日には帰ってくるハズだよ」


「そうなんですか。他に話がないようならあたし、部屋に行きたいんですけど…」


「あ、それはちょっと待って。団服つくんなきゃいけないからサイズ計ってもらってくれるかい?」


「はぁ…。あの、その団服ってみんなパンツタイプなんですか?」


「いや、スカートもあるよ。春花ちゃんはスカートのほうがいいかな?」


スカートはないな。

基本スカートは嫌いだし。
もし選べるならパンツのがいいよね。



「いえ、パンツタイプでお願いします」


「わかった。じゃあ今、リナリーを呼ぶから、あっちでリナリーに計ってもらって」


「あ、はい」


リナリー……かぁ。
女の子、だよね。



+++


しばらくして、長い黒髪をツインテールにしたかわいらしい女の子が室長室に入ってきた。


「あなたが春花?」


「…はい、そうです」


「私はリナリー・リーよ。よろしくね、春花」


うわ、かわいい。
―けど、あんまり好きなタイプではないかも。

とりあえずにっこり笑ってはみたけど、上手く笑えてたのかな。


「それじゃあ、サイズ計るからあっちに行きましょう」











.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ