恋ノ唄

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-ザザザザッ

草村の中を、走り抜ける音。

-ダンッ

誰かが、地面を蹴った音。

-ザシュッ

なにかが、切れた音。



音と音とが重なり、すでにどれがどんな音だったのかも彼らの頭の中にはない。

ただひたすらお互いに獲物を求め合っている。


時折響く金属音が、3人しかいないその森に、深く木魂した。


「ひゃっはぁ!どうした春花!動きが鈍ってるぜぇ?」


「っは、うるさいなぁっ…アンタらと違ってねぇ、あたしはアクマも相手してるの。ただひたすら逃げて隙を見ながら攻撃するアンタ達とは疲労度が違うの、よ!」


額に僅かな汗を浮かべながらも、春花は近くにいるアクマをイノセンスで切り裂き、空に浮かぶレベル1を撃ち抜く。


ただ、隙を見せれば背後からジャスデビが攻撃してくる。

しかしながら未だに二人が能力を使う気配はない。


一応、遠慮はしているのだろうか。…それはないだろう。二人は単純にこの戦いを楽しんでいるにすぎないのだから。

一つため息をついて、春花はイノセンスの一部である刀を取り出し、地面に突き刺した。


「―…イノセンス、発動…『悪魔ノ懺悔』――」








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