恋ノ唄

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「あれっ?ラビいつの間に来てたんですか?」


「や、さっき来たんさ…っつーかすげーキズだな、大丈夫か?」


「僕達は平気です。それより春花が…」


アレンが春花に目を向け、その容態を確認する。が、アレンが目にしたのは―…


「イノセンスが傷を塞いでいる…?」


イノセンスと共鳴し、光る春花の体と、どんどん塞がっていく傷口。


「ああ。ちょっと前からだ。とりあえず病院行こうとしたらイノセンスが光りだして…春花が何かを呟いたら、イノセンスの光が春花の傷口を塞ぎ始めたんさ」


ラビも初めて見たようで、記録するかのように傷口を見つめている。その目は仲間として見る目ではなく、記録者としての目だ。そんなラビにほんの少し疑問を感じながら、仕方ないと言い聞かせた。


ちらりと神田に目をやると、心なしか心配そうだ。神田も春花のことを…


「…ノアの野郎、もっと叩きのめしておくんだったな…」


「………それはどーゆーイミさ?」


「あ?…そのままの意味に決まってんだろ」


「まさか春花のこと好き…なんさ…?」


「なっ…ンなワケねぇだろアホウサギ」


「ふーん…」



腑に落ちない返事をしながら、もう一度春花に視線を移したラビ。傷口はすでにほぼ塞がっていた。3人で見つめていると、春花はゆっくりとその瞳を開いた。

「(真紅の瞳…イノセンスのせいか…?キレイだな…)」


「―…ん、あたし………?」


「春花っ!傷は痛くねーか?春花のイノセンスが光って、傷口を塞いだんさ!」


「イノ、センス…が、傷を…」


信じられない、というように自分の腹部を触りながら、傷口が小さくなっていることを確かめた。それからイノセンスを見つめ、それを抱きしめた。






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