君に捧ぐ純情(短編)
□恋心
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いつも見ていた
窓辺に居る姿も
夕日に照らされる横顔も
切なく顰める眉も…
君の全てが 俺の青春
「上條。明日から1週間だけだが、斉藤教授の代わりにアシスタントしてくれる方だ。」
宮城教授から紹介されて研究室に入ると、見知った視線とぶつかった。
「「あっ……!」」
互いに同じタイミングで声を出したもんだから、流石に宮城教授も何かを悟ったらしい。
「何だ、二人とも知り合いか?」
両者の顔を見て様子を伺う教授。
その楽しそうな表情に、少し不安を覚えるのは何故だろう?
「…教授が期待してるような事は何もないですよ。
高校時代の同級生です。」
(…覚えててくれたんだ。)
彼の口から自分の存在が認められた気がして嬉しくなった。
「久しぶり。1週間だけだけど、よろしくな」
「こちらこそ…出来る事は少ないけど、よろしく。」
そうやって普通に挨拶を交わした。
何年間か眠っていた想いがまた動きだした瞬間だった
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