君に捧ぐ純情(短編)

□命名
1ページ/7ページ




自分は可哀想な目で見られる
そんな事が当たり前になっていて
だからこそ意固地になってた

何をしてもハンデがあって
普通の子と少しも同等にはなれない
親切心とか道徳心とかそういう厄介な物を
さも正義みたいに誰かが語る度
どんどん心が現実的にしか物事を捉えなくなる


『可哀想な子だから』


そんな上辺だけを撫でた言葉で括られる事に半ば諦めさえ感じて、信じていい事も全て疑ってしまってた

だけどあの日アナタは
そういうカテゴリの中に居る俺を
そこから簡単に切り離してしまったのだ


『そんな事で意地張って、周りから与えられてる同情に乗っかってんじゃねーよ!』


アナタの言葉で目を覚ますように
あの瞬間から俺は生まれ変わる






どんな音で名を告げればいいか
今なら判る気がするんだ


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ