Dream

□ネギ祭り
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仕事を終えて家に帰ると、ドアにネギのリースが飾られていた。

「…なにこれ…」

やばい、またミクが何かやらかした!
そう思って勢いよくドアを開けると案の定ネギ臭い。臭いなんてもんじゃない。
…人体に害が出る。確実に。

「あ!マスター!」

私を見つけて助かったという顔をして飛びついてくるメイコもとても臭かった。
ネギとお酒の匂いが混ざって大変なことになっている。

「メイコ!どしたの、これ!?」
「ミクが…ミクが…!」
「それは分かってる、なんでこんなことに…」
「…マスター、今日、何の日だか知ってますか?」
「え?えーと…12月24日…クリスマスイブ…?」
「そうです!」
「………なるほど、だからネギのリース」
「お願い、助けてください!」

涙目で私に訴えてくるメイコが本当にかわいそうになって、
任せろと返事をしてお風呂に向かわせた。

リビングのドアをあけるとまずはリンが飛びついてきた。

「ままままますたー!!!」
「リン!…なにそれ」

リンのいつもの可愛い白いリボンはネギのリボンに変わっていた。

「ますたあああああああ」

突然大泣きしだすリンも大変臭かったのでメイコと一緒にお風呂に入れた。
ネギのリボンは即刻処分…はもったいないので味噌汁にでも使おう。

次に向かったのはトイレ。
思ったとおり、鍵がかかっている。
ノックをして仕事から帰ってきたと告げると、すごい勢いでドアが開いて
涙目で抱きついてくるレン。
抱きしめ返して頭を撫でてあげると少し落ち着き、トイレを指差す。
ゆっくり覗いてみると、そこもすごいネギ臭だった。

「うわ、どうしたの、これ…」
「…ミク姉が、ネギの汁まいた」
「は!?」
「俺がトイレに隠れてたら、ドアの隙間から」
「…はあ…そっか、レン、頑張ったね?」
「…うん」

今にも泣き出しそうなレンの手をひいて、とりあえず2階のレンとカイトの部屋に行く。
さすがに2階は何もされていなかった。
この前のハロウィンで2階もやられた時、私が豹変したのがよほど怖かったらしい。

ドアを開けると、部屋の隅で体育座りで震えているカイトもいた。
とりあえずレンにファ●リーズを渡してカイトに近寄ると、
これまたすごい勢いで抱きつかれた。

「マスター、ミクを、ミクを止めてください!」
「…うん、頑張ってみるけど…カイトはなにされたの?」
「俺は…俺は…ネギを生で5本ほど食べさせられたんです…」
「…ご愁傷様でした」

カイトにはとりあえずハーゲン●ッツを渡して落ち着かせ、
レンもある程度匂いが取れたので、メイコとリンと入れ替わりにお風呂へ入れて、
メイコには甘酒、リンにはみかんを渡して。
ひと段落してからとうとうボス戦へ。
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