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□Coral 『結婚式の準備』
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ちぃ「大地さん、いま大丈夫?」
桂木「ん?どうした?」
そういいながら読んでいた新聞を畳んで笑顔で私の方を向いてくれる。
(いつ見てもかっこいいな…)
そう思って見とれてしまいそうになるけど、話を切り替える。
ちぃ「うん、えっとね、実は結婚式の衣装なんだけど、私のはもう決めちゃったでしょう?だから次は大地さんのを決めたいんだけど、次のお休みの予定聞きたくて」
桂木「ん、そうだな、○日なら書類整理だけだから早く帰れるし、次の日休みだから大丈夫だぞ。」
ちぃ「わかりました、じゃあプランナーさんに伝えておきますね。」
桂木「ありがとうな。そういえばお色直しでちぃは成人式の時の振り袖にしたんだよな。」
ちぃ「うんっ!おばあちゃんもお母さんも着たものだから、思い出に残るかなって。あ、成人式の写真だけど、こんな感じなんだ。」
桂木「…。」
ちぃ「大地さん?」
桂木「あ、ああ…その、良く似合ってるよ、あまりきれいでつい…おばあさんも喜んで下さるよ。」
ちぃ「そんな…ありがとうございます!お色直しのときは大地さんどうします?タキシードでもいいし、あ、袴でもいいのかな…」
桂木「あ、俺は警察礼服着るからそれを借りようと思ってるんだ。」
ちぃ「礼服?」
首をかしげながら聞きなれない聞いてしまう
桂木「警察官には制服にちょっと似てるんだが、警察礼服って特別なものがあるんだが、警察学校の卒業式とか式典くらいでしか着られないんだ。あと…」
ちぃ「?」
桂木「その…結婚式、とかぐらいだな。」
ちぃ「…!じゃあ、制服姿の桂木さん、みられるんですね!」
桂木「警察学校の卒業式の時の写真なら見たことあるだろう?」
ちぃ「でもっ!やっぱり実物を見てみたかったし…」
桂木「ちぃ…」
ちぃ「それに、礼服姿の桂木さんかっこいいだろうし、側を歩けるんだって思ったらなんだか嬉しくて…」
桂木「ぷっ、全くキミは…。」
ちぃ「あ、ひどい!なんで笑うんです!」
桂木「ははっ、ごめんごめん。じゃあ申請しておくから、式の時の衣装、決めに行こうかな。」
ちぃ「はいっ!」
そういってお互いに笑いあって触れる程度のキスをする
そして、結婚式当日―
桂木「ちぃ、準備終わったか?」
ちぃ「あ、はい。大地さんも…っ!!!」
(かっこいい、かっこよすぎるよ、大地さん)
沈黙してしまって見とれていると意識が舞い戻る
ちぃ「あ、ごめんなさい、見とれてしまって…大地さん?」
桂木「あ、あぁ、すまん、俺こそ君に見とれてしまって…」
そう言う大地さんと笑いあって
介添え人の方の声がかかって会場の扉の前に立つ
桂木「ちぃ、とってもきれいだよ。」
ちぃ「大地さん…」
桂木「さっきも誓ったが、一生君を守る。だから、俺のそばにいてくれないか?」
ちぃ「はい、もちろん…」
お互いの手を握り合って
新しく扉が開いて
みどりや小杉先輩
桂木班のみんな
石神さんや後藤さん、黒澤さんからの電報や
おばあちゃんやお父さん
そして隣にいる愛しい大地さん
多くの人の笑顔と一緒にお祝いされて、嬉しかった今日のこと
ずっとずっと忘れないよ…
end