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□Coral 『二人だけの思い出』
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いつもの控室
誰もいない控室で桂木さんから警護計画を聞くために待っていると
ガチャ
「なんだ、ちぃ一人なんて珍しいな。」
「後藤さん。」
公安部所属の後藤さん。
あまり接することはないけれど、いつも気遣ってくれる優しい人
秘密主義だし、忙しいから会える機会は少ないけど、たまの笑顔が素敵で
「今日は桂木さんたちと打ち合わせか?」
「はい、来月は結構外遊多いらしくて…結構忙しいみたいなんで、スケジュール管理のために早くきいとこうと思って。」
「そうか…学生なのに大変だな。あまり無理するなよ?」
「そんなっ!桂木班のみんなの方がいつも気張ってて大変そうだし、後藤さんだって潜入捜査とかあってお忙しそうじゃないですか。」
「ははっ、まぁな。でも好きでこの仕事に就いたし充実してるぞ。あともしよければなんだが…また滝、見に行かないか?」
「あ、前に行ったT渓谷ですよね?また行きたいと思っていたんです!」
「そうか、都合がよければ明日にでも行かないか?捜査も始まってしまいそうだし、ちぃも忙しいだろうから。」
「明日なら授業午前中だけなので大丈夫ですよ!待ち合わせは…官邸にしますか?」
「いや、ちぃの大学まで行くよ。」
「ええっ!だって大学からだと遠いですよ?」
「官邸からだって大して変わらないだろ。大学のほうが早く行けるしな。」
「…わかりました、じゃあ大学で待ってますね!」
「妙にうれしそうだな。」
「ちょっと憧れてたんです、プライベートで大学で待ち合わせして車でどこかに行くのってあまり体験ないから…。」
「そうか、大学生同士だと歩いたりだろうからな。じゃあ13時に待ってるから。」
「はい♪」
そうしてるうちに昴さんや桂木さんが来て
「早く行けパジャマ」とか「こちらこそさっさと行くに決まってるだろうローズマリー」とか
相変わらずのやり取りにちょっと笑ってしまって、帰路についた
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