treasure
□Garnet 『君をさがしてた』
3ページ/7ページ
「桂木さん!」
可愛らしい声が、俺の耳を擽る。
今日は、ちぃと二人で、スケートに行こうと約束をしていた。
待ち合わせの場所にいつも、一足先に待っている俺。
普段、ちぃには寂しい想いをさせているから、せめてもの罪滅ぼしのつもりでいる。
俺の仕事は、要人警護。いわゆる、SP。
警護部警備課第一係所属で、普段は現総理大臣の警護をしている。
独身でいた平泉総理に、若い時に引き離された恋人に、自分との子供がいると聞かされ、探し当てた事がきっかけで、知り合った総理のお嬢さん。
初めて会った時から、俺の中で何かが変わり始めてたんだ。
総理に送られて来た脅迫状から始まった、総理令嬢の暗殺から彼女を護る為、総理直々に俺自身が、彼女の専属SPとなる。
警護対象に、特別な感情は抱かない。
ずっと頑なに守り通してきたものなのに。
ちぃと出逢って、ちぃをどんどん知っていくようになって。
いつの間にか、ずっと傍で護って行きたいと、想うようになってたんだ。
.