treasure

□Garnet 『雪やまぬ夜二人』
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朝から、今にも雪が降り出しそうな厚い雲に覆われた、冷え込んだ日。


こんな時は、大好きな人と一緒に過ごせればいいのにな。



私が大好きな桂木さんは、お父さんの警護で夕方までお仕事。


早く終わって、桂木さんに逢いたいな。


だけど。



本当に寒い…。



部屋の中は暖房が効いてるはずなのに。


何気なく窓から外を眺めれば。



厚い雲から、チラチラと舞い落ちてくる。


(…あっ、雪…。)

途端に嬉しくなってしまう。


やっぱり、冬には雪が降らないとね。


でも、そんな嬉しさも半減してしまう。

桂木さん達、お仕事で外にいる時は、きっと、寒いんだろうなぁと思ってしまって。


分厚いコートを着て、警護するSPなんていないよね…。



そんな事を考えてたら、携帯に着信が入る。


パッと携帯を見ると桂木さんからの電話だった。


「お仕事お疲れ様です!もう、おわったんですか?」


電話の向こうから、桂木さんの低いけど優しい声が聞こえてくる。


「今日は、待ち合わせをしようか?」


その桂木さんの提案が嬉しくて、速攻で返事をする。


「寒いから、暖かい格好で来るんだよ。」


「桂木さんも、暖かい格好で来て下さいね。」


ハハハっと桂木さんの笑い声が聞こえ、後でと言われて、チュッとリップ音。


我ながら単純だとは思うけど、こんな風に言ってくれるなんて、何て素敵なんだろう。


桂木さんの一言一言に一喜一憂する自分がいて。


私は、本当に桂木さんが大好きなんだなと改めて思った。












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