treasure
□Diamond 『Story』
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《桂木said》
初めて逢った時から、
俺の気持ちは、ちぃに向いてたんだ。
けれど。
誰よりも強くいたい気持ちが、大切な存在を作らないと、頑なに思い込んでいて。
泣かせたくないと思ってても。
結局は、自分の言葉に。
行動に。
涙でいっぱいになっているちぃの顔が、容易に浮かんできて。
何度、伸ばされる手を握って、引き寄せて抱き締めたかったか。
涙の流れる頬を、そっと拭って、抱き締めて。
腕の中に閉じ込めていたかったか。
時間を巻き戻す事は、出来ないけれど。
ちぃを愛する事を決めた以上は。
何があっても、ちぃを護るから。
どんなに辛い時でも。決して、笑顔を絶やさないように、していた健気さが。
目が合うだけで、微笑んでくれる、ちぃの愛情が。
何があっても、自分を曲げない、真っ直ぐさが。
俺を強くしてくれるから。
だから。
ちぃを護るから。
それは、誰にも譲らない。
ちぃがいなくなったら、きっと、自分は生きていく事は、出来ないだろう。
ちぃが、待っていてくれるから。
生きて帰るって、言えるんだ。
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