帽子屋さん

□ジャスミン
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『青峰くん、屋上でいつも何してるの?』


「サボってる」


『それだけ?』


「あー、あと寝てるな」



屋上。
空を眺めながら、つぶやく。



『…同じじゃない?』



ふぅ、とため息をついてみる。
どこまでも続く空には、ぽっかりと雲が浮かぶ。



『私も、転がってみような』



真似して転がってみる。
青い空に、手が届きそうだった。



『空は、青くて好きだな』


「んー」



気の抜けた返事に、
いつも通りだね、って笑った。



「なぁ」


『なぁに?』


「お前ーー」



何かいいかけたとこで、
彼は口を紡ぐ。



『…何よ』


「何でもねぇ」



顔すら、そらされる。



『何それ、気になるよ』


「うっせ、ブース」


『ブっ!?……そう』



私も、顔をそらしてしまった。
傷ついた、なんて……いわないけど。



ふいにぎゅっと、手を握られる。
いまも、顔はそらしたまんま。



『…バーカ』





ージャスミンー


(花言葉 温和  裏 あなたは私のもの)





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