巡る生命と君

□Black deep sea and the lie of wolf
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踏み出すと、ぐにゃりと地面が沈む。
血と死の臭いがそこには満ちていた。
この世界に存在する、魔物と呼ばれる生物。
恐ろしく凶暴で、時に人を食らう。



その魔物たちが、ここで生き絶えていた。
その肉が腐り、ひどい臭いが溜まり。
臭いに引かれ、魔物が集まるという終わらない悪循環。



そこに、少女…。
いや、女性がいた。
長いさらさらの髪に、青い瞳。
黒い上着には、赤いシミがついていた。



煙を吹く銃を携えて。



「リリアンもう終わった?」
「リリアン平気?怪我してない?」



二匹の生物が、彼女に近寄る。
彼女の認識は、“子狼”だが、
それにしては可愛い容姿をしている。



「もう終わったわ、スコル
 大した怪我じゃないから、平気よ。ハティ」



頬に太陽のマークがあるのは、スコル。
月のマークがあるのがハティ。
どちらも、リリアンの大切な友だ。



彼女は、平気だよ!というようにガッツポーズを見せ、
明るい笑顔を見せた。



それからまた、長い道のりを歩きだした。





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