二次創作とドリーム小説
□『ヤキモチ』
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「好きです!!」
「…え!?」
――ブバァ!!
…レイアは目を丸くして絶句し、
ゼルは飲んでいた珈琲を吹き出した。
――それは昼下がりの午後、二人で買い出しに出かけた帰り道。
ゼルとレイアは“DRNG”のアジト近くのカフェに立ち寄った。
すると、いきなり“DRNG”のエンブレムをつけた、
まだ少年にしか見えないダークエルフが、
レイアに向かって爆弾発言をかましたのだ。
「すみませんいきなり…ゼル様がいるのは判ってるんです。
でも…でも伝えたくて、俺」
「あ…えっと」
「聞いてくれてありがとうございました!
二人の時間邪魔してすみませんでした!!」
「待って!…ありがとう」
少年にレイアが声をかけると、
少年は泣きそうになりながらも一礼して走り去っていった。
…ただただ呆然としているゼルを、周囲の人は同情半分笑い半分で見ていた。
「レイア様〜何人目ですか〜♪」
…そしてあろう事か、血盟員の一人がまたまた爆弾を落とした。
ぷっつん。
「え、ちょ、ゼ…きゃあぁっ!?」
刹那、ゼルはレイアと荷物をかかえると、勘定をテーブルに置き走り去った。
…次の日。
「レイア、ゼル様の前で告られたんだって!?」
「リ〜リ〜ス〜…」
…噂を聞いて駆けつけたリリスが見たのは、
へにょりと長い耳が曲がってくたびれた親友の姿だった。
「うわ〜ゼル様露骨〜…」
力無く突っ伏すレイアに刻まれているのは、
首から鎖骨にかけて無数の紅い、花弁のような跡。
「ま、妬いてもらえて良かったじゃない?」
「…えへへ〜♪」
顔だけじゃなく首まで真っ赤にした親友を、
ちょっと羨ましく思ったリリスだった。
→後書き→