■決意

高校にも無事合格した。
合格発表の日は皆で塾で打ち上げをして
お菓子食べたり写メ撮ったりして久しぶりにさわいだ。
これが塾に来る最後に日になるはずだった。

あたしは入試が終わってすぐ
親に個別の申し込み用紙を渡した。
親は反対。
親はあたしが達也先生を好きな事を知っていた。
そしてそれが理由で塾に戻りたい事も・・・。
あたしは2学期から週6で塾に行っていて
夜も11時近くにしか帰っていなくて
そんなあたしの塾の依存を親は心配いていた。
親の言う事は分かってはいるんだけど
でも1日でも早く塾に戻りたかった。
――毎日のように親と言い合い
「塾に戻りたい」って泣いた
塾に戻れないかも、っていう恐怖から
親にあたってしまう・・・
部屋中の壁に穴があくぐらい壁を殴ったりモノを投げたり
自分でも分かっていたんだ。
『勉強頑張るから』なんて口実だって。
あたしは家出した。
近くのマックで時間潰したり
夜間営業の図書館で寝たり・・・

塾に行きたかった

親から携帯に電話があって
帰ってみると個別の申し込み用紙に判子がおされてた。
「これで舞が納得するならそうしなさい。」
親は一言そう言った。
塾の次の授業料は2万近い。

ゴメンなさい。
親不孝な子だと思った。
自分の恋のために親にこんな迷惑かけて・・・
      「勉強頑張ろう」
そう思った。
それがせめてもあたしに尽くしてくれた親への孝行だと思った。

もう塾に行くことはあたしの生活の一部になっていて、
タバコみたいに依存性があるのかなっ
3日もきらすとあたしは「人格が変わったみたい」
って言われた。

こんなにして手にした塾のあたしの個別の席。
離してはいけない・・・
どんなことがあっても・・・

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