■ライバル

3学期になって新しい子が入会してきた。
同じ学校の女子3人。
確かに可愛い。
だけど勉強は今までしたことないような子だった。
あたしは…
頭がよくなる事が先生に好きになってもらえる1番の近道だと思ってた。
だから自習も毎日行っていたし
体調崩してもテストでいい点取って先生に報告してた。

新しい子達が自習に来た。
隣の机でお菓子食べて
携帯あたって
プリでこって
おしゃべりして
そんな子達に達也先生は
「何時から来てるの〜?
 授業8時からなのに早く来て頑張るね。」
って笑顔で言った。

その言葉はあたしが達也先生に求めていた言葉だった。
    早く来て頑張るね
いつもそう言って欲しかった。
あたしを見て欲しかった。
認めて欲しかった。
だけど
――あたしの横でそんな風に個別の子には言うんだ。
絶望的だった。

あたしが頑張る意味ってなんなんだろう。
塾に行く意味ってなんなんだろう。
受験合格することが約束だから?
過程は見てくれないの?

1月になって迷っていたものがやっとすっきりした。
認めたくなかったけどやっと分かった。
自然に自分の中に入っていく。


達也先生は
あたしの事が嫌いなんよね…?

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