Novel
□とくべつ
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女の子にモテモテなのは、別にいい。
それだけ、わたしの彼がカッコイイってことだもん。
でも、今私は、
バスケに嫉妬してる。
バカみたいって思うでしょ?
「終わったぜぇ、ゆりえ!」
大好きな彼、ジョーカーの、喜々とした声。
はいはいバスケ楽しかったんでしょう。
「…おつかれ」
普通に言ったつもりだった。けど、
「どうした?なんか浮かない顔で」
彼には悟られてしまったみたいだった。
「別に。いい試合だったわね」
事実、接戦だった。けど、ジョーカーの大活躍のお陰で、チームを勝利に導いた。
観客の拍手も絶えなかった。でも、私はというと、素直に喜べない。
バスケをやってる彼は楽しそう。まるでバスケに恋してるみたい。
そう思い始めると、すぐにイライラしてくる。
やっぱり私、まだ子供だなあ。