Novel
□あなたが花
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「頑張ってんじゃん」
「ゴホッ!けけ、剣淵!?」
お決まりだが、思いっきりむせてしまった。そこにいたのは、剣淵だった。
「ぼーっとしてたなあ?もし私が変質者だったら危なかったぞ!朝倉可愛いから」
「う、うっせぇ」
赤くなっていった、なんかうれしいやら気恥ずかしやらなんとも言えない気持ちだった。
「えと・・・元気か?」
つい最近会ったくせにそんな返事をした。
「ん・・・」
剣淵はくすぐったそうにして、頬をかいた。
そういった彼女のしぐさ一つ一つが、可愛い。とても愛おしい。
仕事の後に会おうと約束をした。もっと話していたかったが、お預けだ。
帰り際に彼女は振り返り言った。
「新しい花入ってきたんだね!キレイだった」
無邪気な笑顔でそう言った彼女に、「キレイなのは」と言いそうになった。
気がつけば、疲れも何もかも吹っ飛んで、やる気に満ち溢れていた。
やっぱし、好きなんだなぁ。