小春日和

□08
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由梨「……うわ。」


萌絵「……すごい。」



目の前の四越デパートを見て、驚かない者はいない。多分。


それは完全に警察で埋め尽くされ、
上空にはヘリが飛び交い、
野次馬達のフラッシュで、まぶしいくらいだ。


萌絵「…やばいですな。」

由梨「………
…あれ、一瞬こっちに冷やかな視線がとんできた気がするんだけど…」

萌絵「気のせい気のせい。」

なんていいながら、萌絵の視線は完全に由梨の方へ向けられている。


由梨「……あのさ、

視線で人殺したことある?

萌絵「え?ないよ〜!由梨、今日冗談冴えてるね!!」

由梨「全然本気なんだけど。


土方「…おい、アレ……」


萌絵「あれ?由梨、汗がすごいよ?大丈夫?あと顔色も悪いし…」

由梨「…だいじょうぶれす…」


土方「……おい、アレ見ろよアレ!」


萌絵「呂律もまわってないし…
ホントに大丈夫?」

由梨「だいじょう「人の話聞けよォォオオ!!!」


土方の怒声が、周りの野次馬達の話声を蹴散らした。
が、それも一瞬で、すぐに喧騒が起こり始める。


土方「だからアレ見ろってアレ!!」

由梨「さっきからアレアレうるさいですよ、アレアレ詐欺の主犯者ですか。」

土方「聞こえてたんなら返事しろよ!」


二人は、土方の言葉通り、しぶしぶ指さす方向を見上げた。

 
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