小春日和

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とある、歴史の刻まれた古い図書館。
そこでは、3人の女子高校生が宿題をするために集まっていた。

由梨「宿題とかめんどくせー…」

だらしなく机に腕をつき、半目になりながらもプリントと格闘する。

沙代「そんなこと言わないでちゃんとやれっつーの」

由梨「母さんか! 
…まぁ、こういうのを幸せ、って言うんだろーなー…
頭いい人がうちの友達だなんて!」

と、その一瞬で由梨は沙代のノートを覗き込もうと身を乗りだした。

沙代「ちょ、やめろ!!」

バシッっといい音をたて、由梨の頭をたたく。

由梨「いって!! もっとバカになるじゃんか!」

沙代「そこかよ!…ほら由梨、萌絵を見習ってよ…
由梨と違ってもくもくと宿題やってるじゃ…」

言いかけて、止まった。
萌絵は手をとめ、顔をあげ2人を見る。


萌絵「え?」


萌絵は宿題ではなく、もくもくと絵を描いていた。

沙代「うまっ!無駄にうまっ!!」

由梨「ちょ、神!!アンタその路線生かした方がイイって!!」

2人は、萌絵の意外な才能に驚いていた。
今までその片鱗を片時も見せなかった萌絵。驚きも仕方ない事だ。

萌絵「絵の路線?無いよ!私の将来の夢は…
真選組一番隊隊長補佐兼一番隊副隊長ですから!!」

由梨「うん、現実見よう!」

沙代「そういう由梨の将来の夢は?」

由梨「え?真選組女中だけど」

沙代「人のこと言えねーじゃん!!」


三人の宿題は、一向にはかどらなかった。
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