非公開用。

□いらいら王子
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蛙さん…?


窓に目をむけると蛙さんとは違う別の男性が立っていた
金髪に目まで隠れる長い前髪が特徴的で蛙さんと似たような服を着ている

【誰?】
自分の心境を2文字で分かりやすく伝えると
スケッチブックをじろりと見て

「ししっ正直驚いたぜー気配は消したつもりだったんだけど。」
【はぁ…】
私の問いにはスルーらしいな
…ナースコールを押したほうがいいんじゃないかこれは
強盗?…殺人?…誘拐?


急に不安になってナースコールを手に取ろうとしたとき



「…哀蛙がこんなとここ来てんの?」
【カエッ…蛙さん!?】
聞き覚えのある名前に顔を上げる


「そ。俺はフランの先輩のベル。王子な。」
【ベル王子さん…?というかフランって誰だ?】


あ…しまったような表情を見せ後ろを向くベル王子さん
…フラン?後輩ってことは蛙さん?
フラン…お金の単位?


「えーっと…ココきたねーな。」
【何こいつウザイ】
「あ゛ぁっ!?」
【こちとらここに5年以上すんどるんじゃァァァ!!!マイホームじゃァァァ!!】


【なーんて書かないよこんなことに使ったら紙の無駄だからね!!】

「てめー全部書いてんじゃねーかよ!!」


ベル王子さんと軽い喧嘩をした後この人は嘘をつくのが苦手なのか。とちょっと思った






ふと無意識に窓のほうへ目がいく
蛙さんこないなぁ…




とりあえず自称ベル王子のほうへ視線を戻し、じっと見る
つまりベル王子は蛙さんと初めて会った時に言ってた…先輩の…


【駄王子さん?】

「漢字ちっげーよ!!!!つか意味もちげーし!!!王子バカにするとかてめー死ねマジ何だこいつ!!!おうじだっつの!!!」


ベル王子が大声を出して怒鳴っているがスルーしてスケッチブックに文字を書いていく




【今日は蛙さん来ないんですか?】





サインペンにキャップをした所で「待ってた。」と思われるのははずかしいな…って思った
哀はベルに見えないよう次のページをめくる











「そういえば何でスケッチブックなんだ?ホワイトボードとかでも良いだろ?」
ベルの問いに哀は平然とこたえる。






【残しておきたいからに決まってるじゃないか】






ベル王子は驚いているようだった。
目が見えないから本当の所は分からないけれど
私なんかへんなこと言っただろうか?




そのまま彼は無言だったので私はスケッチブックに文字を書いていく

【今までの分全部あるよ】
病室の棚を開けると束になったスケッチブックが大量につまっている

「…………ぃ」

【何?聞こえない】

「…なんでもねーよ!!!」
急に逆ギレするなよベル王子ーと思いつつ棚の扉を閉めパタンとスケッチブックをしまう

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