短編

□君がいることで。
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「お疲れ様でしたー」



リュカは今日の対戦相手に挨拶をして部屋を出ていく。




「リュカ」

廊下にでるとネスがリュカを呼んだ。




「ネスさん!」

「リュカ、ちょっといい?」

「はい。どうしたんですか?」



きょとんとしながらリュカはネスについていく。



ネスの部屋につくとベッドに隣で座る。

リュカはネスの表情が硬いから相談かと思った。



しかし。





「ねえリュカ。」



ネスはリュカにリンクのマスターソードを向けた。



リュカの身が硬くなる。



「ネス・・・さん?」

「ボク、リュカのこと好きだよ。でもリュカはボクのことを見てくれない。」

「・・・ネス・・さん・・」




ネスがPKサンダーを打つ。

しかしフランクリンバッヂが跳ね返す。



「やめて・・ください・・・!どうしてですかっ・・・?」

「ボクはリュカしか見てないのに・・・!」



リュカはネスの顔を見て言葉が詰まる。

そしてそのままリュカはネスに近づいた。




―――クラウスに似ていたから。



「ネスさんが・・・ボクが死ねばネスさんが気が済むなら・・」

「・・・」





リュカはネスの手と重ね、にっこりと笑う。



「ボク・・・ネスさんのことがずっとずっと大好きでした。」

そのままゆっくり動かす。



「・・・リュカ、待って。リュカ・・!」



ネスが止めようとするがリュカはそのままゆっくり自分の腹部に刺した。



「リュ、リュカあああ!!」



ネスが急いで剣を抜く。

リュカは無反応だがわずかにまだ生きている。



「ヒーリングΩ!」



リュカを回復しながら揺さぶる。



「リュカぁ・・・!」

「なんで・・・殺さないんですか?」

「だって・・・だって!」

「・・・ボク、ネスさんに嫌われてるのかと思った・・んです。」



リュカは世界が終わりのような顔をする。ネスは首を振ってリュカの頬に手を添える。



「ちがう・・ちがうんだ。リュカがほかのやつとばっか喋るから・・・ボクのことなんかって思って・・!」

「・・・そんなことないですよ?だって・・ボクだけの先輩じゃないですか」



そのままこてんと眠ってしまった。



ネスは急いで病院に運ぶ。







コンコン、と扉をノックした。



「リュカー」

「ネスさん!」



ベッドに寝ているのはリュカ。

ネスは手をふりながらリュカのそばに行く。



そしてたわいない話をしながら笑う。







そうして愛は深まっていくんだと思う。





最近リュカはそう考えていた。
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