短編

□ハロウィン
1ページ/2ページ












「trickortreat!」



リュカが笑ながら手を差し伸べてきた。




「今日ハロウィンだっけ?」

「そうですよ!ネスさんっ、お菓子ください!」

「今・・・・・」




ボクはバッグの中身を探してみる。しかしハンバーガーしか入ってなかった。




「ハンバーガーしかないんだけど食べる?」

「それお菓子じゃないですよ!」



だってこれしかないんだもん。



リュカをちらっと見ると若干上目でお菓子を待っている。




「一言でいうと『持ってない』かな!」

「えー・・・じゃあいたずらですね」



いたずらってどんなのかな?





ちょっとだけ興味がある。







PKサンダー体当たりしてくるのかな?



ふわふわオムレツぶちまけたり?







「ちょっと待ってくださいねー」



リュカがごそごそと準備している。




何かな?




こっそりのぞくとそこには・・・・







ど、どせいさん!?






「ちょ・・・・」

「あ、見ちゃダメですよ!」

「いや・・ちょ・・・どせいさん!」




ボクがどせいさんに釘づけになってると



リュカがおしのびどせいさんを持ち上げて



ボクに見せてきた。




「はい、どせいさんの心がこもったコーヒーです!」

「・・・え?」




それ、いたずらになってなくない?





ボクは思わず笑ってしまった。



リュカはやっぱ優しいんだなーって思いながら。





ボクは思わずリュカの頭を撫でる。






「それ、いたずらじゃないよ」

「いいんですよっ!ネスさんに喜んでもらえるならうれしいですから」




ボクはコーヒーをどせいさんに「ありがとう」っていいながらもらう。





あったかくて



ぽっかりしてて



なんだかとってもまぶしい気持ちになった。




どこかに向日葵のような、ヒナワさんのような笑顔をしたリュカが見えた



・・・・気がした。







「ありがとう」





そっとつぶやいた。



「ん?何かいいました?」

「うん。ありがとうって」

「いいんですよー」






またどせいさんのコーヒーが飲めるといいね。





















とまあ。



それだけです。






〜おまけ〜




りゅ「あ、そういえば」



ね「うん?」



りゅ「ちゃんといたずらなんですよー。そのコーヒー、どせいさんの考えた新作らしいです!」



ね「新作?いつものと違うの?」



りゅ「さぁ?でも新作らしいです」



ね「変なもの入ってなかったらいいけど・・・」



りゅ「失礼ですよー?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ